タイでは近年、製造業・物流業・サービス業を中心にERP(統合基幹業務システム)の導入が進みつつあります。特に外資系企業や日系企業では、本社の要請で導入を検討するケースも増えており、「タイ ERP」というキーワードでの情報検索も急増しています。
しかしながら、ERPは単なるパッケージ導入ではなく、現場の運用や人材レベル、文化的な背景を理解した上での“地に足のついた”システム開発が必要不可欠です。
ERP導入における3つの現実課題(特にタイ市場で)
既存業務との乖離
- タイでは紙やExcelベースの運用が根強く残っており、ERP導入によってかえって現場が混乱するケースもあります。
- 「現場がシステムについてこれない」ことが、ERP導入の失敗理由として頻出しています。
現地スタッフのITリテラシー
- ERPを導入しても、操作方法や概念が理解されないまま運用されるケースが多く、入力ミスや誤運用の温床となります。
- 例えば、「部門コードがなければ適当に入力する」「友達に聞いた方法で処理する」など、属人的な対応が横行する傾向にあります。
海外製ERPとのギャップ
- 多くの海外製ERPは英語または日本語で設計されており、タイ語対応やVAT(付加価値税)など現地特有の要件に対応していないケースもあります。
- また、インフラ環境や通信速度の違いも考慮が必要です。
カスタマイズより「フィット&ギャップ」の見極めが重要
ERP導入の際には、「すべてを合わせよう」とするのではなく、どこまで業務を標準化し、どこをカスタマイズするかを明確にすることが成功の鍵です。
特にタイのシステム開発では、「現地側の理解」「導入後の教育体制」「サポートの持続性」が重視されるべきです。
弊社のスタンス:フィールドに根差したERP導入支援
私たちは、タイ市場において多くのシステム開発を手がけてきた実績があります。ERP導入についても、以下のようなアプローチで支援しています。
- 現地業務とERP標準機能のギャップ分析
- 段階的な導入ステップの設計(まずは販売管理からなど)
- 日本語・タイ語対応の操作マニュアルと教育
- 運用定着後の改善提案とフォローアップ
また、Microsoft Dynamics 365、Odoo、SAP Business Oneなど、既存ERPへのタイ向けカスタマイズ開発も可能です。
まとめ:まずは「相談」からが一番の近道
ERP導入において完璧なスタートを切ることは難しいかもしれませんが、まずは現場の状況を整理することが第一歩です。
弊社では、ヒアリングベースでの「業務可視化」や「導入判断材料の提供」も行っております。
「うちの業務でもERPが使えるのか?」
「現地で使いこなせるのか?」
そんな疑問が浮かんだら、ぜひ一度ご相談ください。
“タイ ERP”の成功は、現場理解と段階的な実行にあります。
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参考
アイキャッチ画像:Unsplash