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AWS Summit Bangkok 2026 参加レポート

AWS Summit Bangkok 2026 参加レポート

弊社はタイと日本で IT サービスをやっており、現地のクラウドや AI の空気感を肌で感じておきたく、今回 AWS Summit Bangkok 2026 に参加してきました。事前登録だけで無料で参加できるイベントですが、内容はかなり充実していたので、当日の様子と感じたことをまとめておきます。

  • 開催日: 2026 年 5 月 28 日 (木)
  • 会場: Queen Sirikit National Convention Center (QSNCC)
  • 公式サイト: AWS Summit Bangkok 2026
AWS Summit Bangkok 2026 公式サイト
AWS Summit Bangkok 2026 公式サイト。

会場について

会場の Queen Sirikit National Convention Center (QSNCC) は、バンコクの中心地アソークから MRT で 1 駅、しかも駅直結という立地です。建物自体も比較的最近リニューアルされたこともあって、内部はかなり綺麗でした。広さも十分で、終日歩き回っても窮屈さは感じません。

項目内容
日付2026 年 5 月 28 日 (木)
会場Queen Sirikit National Convention Center
参加費無料 (事前登録制)
セッション数40+ セッション
主要テーマAgentic AI / Cloud Modernization / Data & Analytics

受付の雰囲気

到着してまず驚いたのが受付エリアの雰囲気でした。ID バッジを発行するブースのすぐ横で DJ がプレイ していて、朝からテンションが上がる演出になっています。IT イベントというよりちょっとしたフェスのような賑やかさで、こういうノリは個人的にすごく好きです。

参加者を見渡してみると、男女比はざっくり 7:3 くらい。一般的な IT イベントと比べると女性の参加者がかなり多めで、年齢層も 20 代の若手から 50 代くらいまで幅広い感じでした。タイの IT 業界の層の厚さを感じます。

会場内には 無料の軽食・ドリンクエリアが複数箇所 に設置されていて、参加者は一日中自由に飲み食いできます。長時間のカンファレンスでこの配慮は地味にありがたいです。

会場内の無料軽食・ドリンクエリア
会場内に設置された無料の軽食・ドリンクエリア。一日中自由に飲み食いできて、長時間のカンファレンスでは地味にありがたい。

オープニングキーノート

9:30 からオープニングと基調講演がスタート。生演奏と踊りを取り入れた派手な演出で、アジアの IT イベントらしい盛り上げ方でした。登壇者は以下の方々。

  • Vatsun Thirapatarapong (Country Manager, Thailand, AWS)
  • Adrian De Luca (Director, Cloud Acceleration APJ, AWS)
  • Worachat Luxkanalode (Group CEO, 2C2P by Antom)
  • Dr. Sarintip Satitsatian (Managing Director, Ascend Commerce / Amaze Super App)

Agentic AI を軸に、AWS がどう開発者や企業の変革をサポートしていくかという話が中心でした。途中でタイのローカル企業 (決済プラットフォームやスーパーアプリなど) の事例が紹介されたのも印象に残っています。

キーノート会場とステージの様子
オープニングキーノート。生演奏と踊りで派手にスタート。

エキスポエリアは 4 つのテーマで構成

エキスポエリアは大きく 4 つのテーマ に色分けされていて、視覚的にもパッと見てわかりやすい構成です。

  • Industries — 業界別ソリューション
  • Data & Analytics — データ・分析基盤
  • Migration & Modernization — クラウド移行・モダナイゼーション
  • Artificial Intelligence (AI) — 生成 AI・Agentic AI

各エリアには AWS パートナー企業のブースと、AWS 自身のブースが混在しています。パートナーは自社の製品やソリューションの紹介、AWS はコア技術や新サービスの紹介、という棲み分けでした。

エリア分けはされているものの、正直なところ どのエリアも 7 割くらいは AI 絡みの話 という印象。Industries ブースでも「AI を使った◯◯」、Migration ブースでも「AI 移行支援」みたいな感じで、生成 AI / Agentic AI が完全に主役になっています。

4 エリアの色分けがわかる会場マップ
4 エリアの色分けがわかる会場マップ。視覚的にすぐ把握できる構成。

出展企業はアジア圏を中心にかなり多国籍。タイ・シンガポール・ベトナム・インド・日本など、さまざまな国の企業が並んでいて、Redis のような世界的に有名な会社もブースを構えていました。日系企業のブースもいくつかあり、タイ市場での日系 IT 企業の存在感も感じられました。

AI をテーマにしたブース展示
AI 関連の展示中心エリア。生成 AI / Agentic AI が完全に主役。

印象に残ったブース

House of Kiro

今回 AWS が特に推していると感じたのが、新しい開発支援ツール Kiro です。Kiro をテーマにした "House of Kiro" という体験型ブースが設置されていて、"開発者の悪夢を払うホーンテッドハウス" というユニークなコンセプト。Spec-Driven Development や Agent Hooks などの機能を体感できる仕掛けになっていたようです。

…ようです、と書いたのは、常に長蛇の列で結局体験できなかったから。Kiro は今後の AWS の開発体験を変えそうな雰囲気を感じたので、次回はリベンジしたいです。

House of Kiro のブース外観と行列
House of Kiro。常に長蛇の列で結局体験できず。

AI 自動車運転シミュレーター

ゲーム感覚で楽しめるブースもいくつかあり、特に面白かったのが AI を使った自動車運転シミュレーター。プレイヤーの運転を AI が解析するもので、保険会社などに B2B で提案しているとのこと。エンタメ的な見せ方でありつつ、ちゃんとビジネス用途が裏にあるところが良かったです。

自動車運転シミュレーターのブース
AI 自動車運転シミュレーター。AI が運転を解析、保険会社向けに B2B 提案。

AI サッカーゲーム

AWS 本体のブースにあった AI サッカーゲーム も印象的でした。チームの構成表を見せながら、どのように AI エージェントが連携してプレイしているかをスタッフが丁寧に説明してくれて、Agentic AI の仕組みを直感的に理解できる良い展示だったと思います。

特に良かったのが、ブースに リファレンスアーキテクチャ図 がしっかり掲示されていたこと。Amazon Bedrock AgentCore を中心に、ECS / GameLift / DynamoDB / Lambda を組み合わせて 10 体のエージェントが 2 秒ごとに状態をポーリングしながら並列で意思決定する構成。Agentic AI を本番運用する際のリファレンスとして勉強になりました。

AI サッカーゲームの画面と構成表
AWS 本体ブースの AI サッカーゲーム。Agentic AI の仕組みを直感的に理解できる展示。
AWS Agentic Football Cup のリファレンスアーキテクチャ図
ブースに掲示されていた AWS Reference Architecture。Bedrock AgentCore + ECS + GameLift + DynamoDB の構成が一目でわかる。

スタンプラリーと景品

入場時に スタンプカード が配られていて、各エリアで 3 つずつスタンプを集めると景品がもらえる仕組みでした。これとは別に、パートナー企業も集客のためにいろいろな仕掛けを用意していて、一定時間ぴったりにボタンを押すと景品がもらえる タイミングゲーム や、UFO キャッチャー型のミニゲームなどがありました。景品は T シャツやトートバッグ、ノベルティ系が多めです。

会場を盛り上げる効果は確かにあるのですが、一方で気になった点もありました。スタンプ目当てだけで並んでいる人も結構いて、本当に技術や製品の話を聞きたい人がブースに近づきにくい場面が何度かあったんです。時間帯によっては歩くのも大変なくらいの混雑になっていて、目的のブースに行くにはタイミングを見計らう必要があったほどでした。

11:11 Systems Lucky Time Challenge のブース
パートナーブースでのゲーム・景品配布。集客効果はあるが混雑の原因にも。
アーケード風のパートナーブースに集まる人
アーケード風のミニゲームを設置するブースなど、集客の工夫も様々。
スタンプカードと混雑したブース通路
スタンプカード。スタンプ目当てで並ぶ人が多く、混雑が激しかった。

Redis ブースでの話

混雑の中でもじっくり話を聞けたブースでは、AWS の技術を使って どんなプロダクトを作っているかどんなサービスとして提供しているかどんな顧客に売っているか といったビジネスモデル全体の話まで深く聞くことができ、弊社の今後の事業展開にとっても参考になる話がいくつもありました。

AWS Summit Bangkok 2026 の Redis ブース
Redis のブース。「Fast AI & Fast Apps」が掲げられ、混雑の中でもじっくり話を聞けた印象的なパートナーの一つ。

ブレイクアウトセッション

会場内には 講演エリア (セッションブース) が複数あり、定期的に特定テーマの講演が行われていました。音声は 専用ヘッドフォン で聴く仕組みになっていて、周りの展示音と干渉せずに集中できるのが良かったです。

セッションも個別ブースでの会話もほぼ 英語 で進みます。タイ語のみのコミュニケーションはほとんどなく、国際的な参加者を意識した運営だなと感じました。

ヘッドフォンを使う参加者のセッション会場
セッション会場。専用ヘッドフォンで周りの展示音と干渉せず集中できる。

AWS が推していたもの

Summit 全体を通じて、AWS が特に強く推していると感じたのは KiroAmazon Bedrock の 2 つです。

Kiro は前述の通り、AI 時代の新しい開発支援ツール。Spec-Driven Development や Vibe Coding、Agent Hooks といったコンセプトで、開発の進め方そのものを変えていこうという意志を感じました。

Amazon Bedrock は基盤モデルへのアクセスを統合的に提供するサービス。Agentic AI の土台として、ほぼすべての AI ブースで何らかの形で言及されていて、AWS における生成 AI の中核として完全に位置付けられている印象でした。「AI アプリを作るならまず Bedrock から」という空気感が会場全体から漂ってきます。

弊社目線で感じたこと

最後に、タイ・日本で IT サービスをやっている弊社の立場から、今回の Summit を通じて感じたことを書いておきます。

小規模なプロジェクトだと、どうしても導入が簡単で安価な マイクロサービス系のクラウドサービス を選びがちというのが正直なところです。コスト面・スピード面のメリットは大きく、これはこれで合理的な選択だと思います。

ただ、大規模なシステムだったり、可用性やセキュリティの要件が厳しい案件、あるいはオンプレミスとのハイブリッド構成が必要な場面では、やはり AWS の優位性は圧倒的 だなと改めて感じました。サービスのラインナップが広く、技術のキャッチアップも早く、グローバルな実績もある。こうした強みを活かせる案件にこそ、AWS をきちんと提案していきたいと思っています。

個人的にやってみたいのは、ハイブリッド構成でセキュリティの監視・検知をしつつ、そこに AI も組み込んだ SIEM ライクな運用基盤。タイでも日本でも今後ニーズが伸びそうな領域なので、弊社の両拠点体制を活かしてこういう提案にも積極的に取り組んでいけたらと考えています。

まとめ

AWS Summit Bangkok 2026 は、無料で参加できて、アクセスも良くて、会場も綺麗で、コンテンツの密度も高い、と、タイの IT 業界に関わるなら参加して損はないイベントでした。混雑や景品狙いの行列など、運営面で気になるところはあったものの、トータルでは大満足の 1 日です。

特に Agentic AI / Kiro / Bedrock の 3 つは、今後のクラウド・AI の話をする上で外せないキーワードだと改めて確信できたのが、今回いちばんの収穫でした。

来年もまた参加できれば、今回回りきれなかったブースもじっくり見てみたいと思います。

弊社ではタイ・日本両拠点にて、AWS を活用したクラウド導入・ハイブリッド構成・AI / セキュリティソリューションのご相談を承っております。ご興味のある方はぜひ お問い合わせ ください。